中途採用放浪記①

わたしは22歳になる年に看護師となり以来◯十年看護師をしている。

看護学校卒業後、地元の市立病院に就職し十数年勤務した。最後の4年程は日々の業務に加え委員会、看護研究、チームリーダーなどこれでもかと降りかかる任務に全力投球し、ついに鬱病になった。抗うつ剤抗不安剤睡眠薬の内服が始まりドクターストップがかかってもしばらく仕事に行き続けた。そして完全に壊れた。

半年程休暇をとり、焦りからまだ完治する前に復帰した。今ならわかるが当たり前に働ける訳がなく結果退職という道を選んだ。

これが人生で初めての挫折になった。中学のテストは3年間学年で1位か2位。さほど勉強せずに高校は県有数の進学校看護学校もさほど勉強せず受験した3校とも合格。就職は始めに受けた倍率が高い市立病院に合格。国家試験も一発合格。就職してからも順調であった。同じ病棟の同期より全て先に経験させてもらえた。某委員会も師長、主任が集合するトップクラスの委員会であるのに30そこそこのヒラのわたしが抜擢された。早期の昇進が約束されたようなものであった。挫折するには少々遅すぎた。