愛と勇気とチョコタルト(後編)

会見はいつもの5人だった。必要以上に飾ろうとしない穏やかな5人だった。休止に至るまでの経緯を5人それぞれの言葉で聞くことができた。彼らは何度も「申し訳ない」と言った。「申し訳ない」…そんなことは全くない。わたしがわたしたちが彼らにそう思わせるような立場にしてしまったのではないかと思った。涙が溢れてとまらなかった。だけどそれはわたしの思い上がりであり元々彼らはそういう人たちであったと思う。

 

さて…

この活動休止報告を受けて思ったこと。社会人としてのあり方。嵐ほどの一大プロジェクトになるとテレビのレギュラー番組、ラジオ、多数のCM…「休止します」の一言でさっと済ませられる訳がない。が一方スタッフさんや関係者の方々に(表現が悪いが)丸投げする事もできたのではないかとも思う。あらゆるものを今から2年弱かけて自分たちの手で(もちろん関係者の方々と一緒に)畳んでいくと話していた。

5人で築き上げてきたものを自分たちで(一旦)終わらせる。これは一歩一歩着実に丁寧に進んできた「ものを創る過程」を知っている彼らだからこそできることではないだろうか。ひとつひとつの番組、作品、そしてファンと真摯に向き合い続けてきた結果であり社会人としてのけじめ。常々5人で嵐と言ってきたことを貫き通し、その5人で(一旦)終わらせる。一貫した姿にプロ意識の高さと責任感の強さ、そして嵐の美学を感じる。